会計監査人

会計監査人の設置義務がなければ、あえて設置する必要性は乏しいでしょう。

会計監査人とは

会計監査人とは、株式会社の機関の1つであり、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査します。

会計監査人を置くべきか

会計監査人は、原則として任意設置の機関です。 株式会社は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができます。 しかし、会計監査人の設置義務がある株式会社でなければ、あえて会計監査人を置く必要性は乏しいでしょう。

会計監査人の設置義務

大会社及び委員会設置会社は、会計監査人を置かなければなりません。

資格

会計監査人は、公認会計士または監査法人でなければなりません。 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければなりません。 この場合においては、株式会社の子会社もしくはその取締役、会計参与、監査役もしくは執行役から公認会計士もしくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者またはその配偶者を選定することはできません。 ※ 日本公認会計士協会(外部リンク)

欠格事由

次に掲げる者は、会計監査人となることができません。
  • 公認会計士法の規定により、会社法435条2項に規定する計算書類について監査をすることができない者
  • 株式会社の子会社もしくはその取締役、会計参与、監査役もしくは執行役から公認会計士もしくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者またはその配偶者
  • 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

員数

会計監査人を置く場合の員数は、原則として、1人以上であれば足ります。 会計監査人の員数については、定款で定めることができます。 例えば、「当会社は、会計監査人2名以上を置く」と定款で定めた場合、その株式会社には、2人以上の会計監査人を置かなければなりません。

任期

会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。 定款または株主総会の決議によって、その任期を短縮または伸長することはできません。

取締役等による責任の免除

会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。 この責任は、原則として、総株主の同意がなければ免除することができません。 ただし、監査の範囲を会計に限定しない監査役を置く株式会社(取締役が2人以上ある場合に限る)は、この責任について、当該会計監査人が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該会計監査人の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、会社法で定める額を限度として取締役の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができます。

責任限定契約

会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。 この責任は、原則として、総株主の同意がなければ免除することができません。 ただし、株式会社は、会計監査人のこの責任について、当該会計監査人が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と会社法で定める最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を会計監査人と締結することができる旨を定款で定めることができます。